B 法令・コンプライアンス
会社のPC監視はどこまで許されるか|目的・範囲・伝え方の3軸
「会社は従業員のPCをどこまで監視できるのか」。この問いへの答えは、単純な白黒ではありません。目的、範囲、伝え方の3つで、許される線は変わります。実務で判断するときの考え方を整理します。
判断の3つの軸
- 目的:業務上の必要性があるか。情報漏洩の防止、勤務状況の把握など
- 範囲:就業時間内か、業務用端末か、業務に関係する操作か
- 伝え方:事前に説明し、記録する内容を明らかにしているか
この3つがそろっているほど、社内でも説明が通り、トラブルになりにくくなります。逆に、どれかが欠けると「やりすぎ」と受け取られます。
業務用端末と私物端末は分けて考える
会社が貸与した業務用のPCは、業務に使う前提の端末です。業務時間内の業務に関係する操作を記録することは、一般的に説明がしやすい範囲です。一方、私物端末や個人のアカウントは対象外にするのが基本です。BYOD(私物端末の業務利用)を認めている場合は、どこまで記録するかを個別に決める必要があります。
時間の線引き
就業時間内かどうかは重要な線です。始業前・休憩中・終業後の私的な利用まで記録すると、私生活の把握に近づきます。シフト制や裁量労働制の場合は、時間の区切りが曖昧になるため、記録する項目を業務に関係するものに絞るほうが安全です。
テレワークでは、自宅の端末と回線を使うことがあります。この場合も、記録するのは業務に関する操作に限ることを事前に伝えてください。テレワークの運用はテレワーク 従業員 監視 の方法で説明しています。
記録と「見る」は別
記録することと、それを常時見ることは別です。すべてをリアルタイムで監視する必要はなく、記録を保存して、問題があったときに確認する運用のほうが現実的です。常時監視の画面を眺める運用は、業務負荷も高く、従業員の心理的な負担も大きくなります。
説明がないまま始めた場合
説明がないまま監視が分かると、信頼の問題になります。すでに始めてしまった場合は、記録している内容を開示し、目的と範囲を説明する場を設けます。過去の分をどう扱うか(削除するか、目的内で使うか)も合わせて決めてください。
通知の作り方は監視 通知文 の書き方、法令上の整理は個人情報保護法 従業員 監視 の5点をご覧ください。
判断に迷ったときの確認事項
| 確認すること | OKの例 | 要注意の例 |
|---|---|---|
| 目的 | 情報漏洩の防止 | 何となく把握したい |
| 対象 | 業務用PCのみ | 私物スマホも対象 |
| 時間 | 就業時間内 | 24時間365日 |
| 項目 | 業務アプリの利用 | 私的なメールの内容 |
| 説明 | 入社時・導入時に通知 | 説明なし |
本記事は一般的な整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は、弁護士や専門家にご相談ください。制度面の全体像は法令とコンプライアンスにまとめています。
まとめ
会社のPC監視は、業務上の必要性があり、範囲が業務に限定され、事前に説明されていれば、説明がしやすい運用になります。判断に迷ったら、目的・範囲・伝え方の3つに戻って確認してください。
iMonitor でできること
本記事の内容を踏まえて、機能と導入条件を確認したい方は次のページをご覧ください。