監視ソフトの導入で最も差が出るのが、始める前の伝え方です。何を、いつ、どのように伝えるかを決めておくと、導入後の運用が驚くほど楽になります。通知と同意の実務を、そのまま使える文面例つきでまとめました。
通知は「こういう目的で、これだけの情報を記録します」と伝える行為です。同意は、その内容に対して従業員が承諾する行為を指します。個人情報保護法では、利用目的の通知・公表が求められており、監視の場合もここが基本になります。同意を得るかどうかは、就業規則や労使の取り決め、監視の内容によって判断が分かれます。実務上は、通知を徹底したうえで、必要に応じて同意書を併用する形が一般的です。
「記録しない内容」を明記することが重要です。何を取らないと決めたかを示すことで、従業員の不安は大きく下がります。
以下は通知文の雛形です。自社の実態に合わせて書き換えてください。
会社PCの利用状況の記録について
当社は、業務時間中のPC利用状況を把握し、業務の効率化と情報漏えいの防止を図るため、会社が貸与するPCに操作記録のためのソフトウェアを導入します。
1. 記録する内容:起動したアプリケーション、閲覧したWebサイト、ファイルの作成・コピー・移動・印刷の履歴、画面のスクリーンショット、キー入力の回数
2. 記録しない内容:私物の端末、勤務時間外の操作、入力した文字そのもの
3. 保存期間:画面の記録は30日、ファイル操作の記録は180日。期間を過ぎた記録は自動的に削除します
4. 閲覧できる者:情報システム部の管理者のみ
5. お問い合わせ:人事部(内線○○○○)
本件に関するご質問は、上記窓口までお願いいたします。
通知は一度きりで終わりではありません。記録する項目を変えるとき、保存期間を延ばすとき、新しい目的で使うときは、その都度あらためて伝えます。また、記録の内容に誤りがあるという申し出や、運用に対する相談を受け付ける窓口を決めておくと、問題が大きくなる前に対応できます。
法令上、常に必要とされているわけではありません。ただし、監視の範囲が広い場合や、評価に関わる用途を含む場合は、同意書を用意しておくほうが後の説明が容易になります。
導入日を決めたら、遅くとも2週間前までに伝えます。直前の告知は反発を招きやすく、運用開始後の問い合わせも増えます。
就業形態にかかわらず、会社の端末を使う人には同じ内容を伝えます。雇用形態によって監視の範囲を変える場合は、その理由も説明します。
個人情報保護法と従業員監視 / 記録するもの・しないもの / 内部情報の漏洩対策 / 従業員監視ソフトの選び方 / テレワーク時代の従業員モニタリング
本ページは一般的な情報であり、法的助言ではありません。就業規則や同意書の文言は、法務担当者または弁護士にご確認ください。